朝、裏山の左手側から射す朝日の兆しを感じながらリビングに据え置いたベッドで目醒める。
曇り気配だが晴天へ向かいそうな乾燥した空気。
僅かな西風を感じる。何の鳥かわからない囀りが始まり、空も明るさを取り戻しかけた頃。ベランダに出ると何処からか小さくラジオの音声が漏れ聞こえる。 駅に比較的近いこのマンションは、年配の方が古い一軒家や都心部から定年後移住が多い。想像に難しくは無い。隣家は一日中ラジオが漏れ聴こえて来るが苦痛程の音量では無い。ベランダで初めて内容まで聴こえたが馴染みのある国営第二放送の気象情報のようだ。淡々と述べる海上計測値が天気図を思い出させる。 朝日が上り切る頃にはカラスも鳴きだし、かろうじで大阪のこの地を思い出す。
2度目の梅雨入りで雨天だが、どこか空気が澄んだ感覚は少し肌寒く、懐かしい。虫は気になる蚊や蜂、蠅は多く無い。
荷物の第二便を郵便局まで持参し、島の局止めで送った。 メンテ用品、キッチン用品等。後は衣服類だが島でも購入出来る物は価格と送料との兼合いで決める。同じような物を重複して買う事は避け、無くて困った物だけにすると消耗品の肌着や靴下が多くなり、送る価値があるのか自問自答。
エリアフリーで無くとも聴けるMBSを流し聴き、淡々と作業を進める。ラジオとコーヒーメーカーの普通にある暮らしのありがたみを実感。
結局3便目を金曜朝に発送し、後を引く物は次回お楽しみとして置く。 探していた度付きサングラスは車を下取りに出した時に軟らかい布で丁寧に梱包しスーツケースのハードケースに収められていた。大抵は大雑把だが変な所で丁寧だが記憶は定かで無い。余り宜しくは無い、が断片的に包んで梱包した記憶があっただけよしと考えて消化。
荷はアパート迄配達とし、局止め2点の受取人所在を郵便局員にも分かるように細工しておいた。
ワクチンの進捗が怪しさ半分だが、前倒しで急かされて自治体がパニックの様相。パソナ口入れ屋への導線にしか見えない。泥縄造りを指示する輩らが居る。 その中で元住民自治体にワクチン接種における基礎疾患を有する者の事前申請の受付を済ませた。取り敢えず打つ手は打って置く。関西で受ける事は無いだろうが、自身の移動過渡期と自治体とて繁忙、無力感ダブルパンチで漏れ落ち、接種機会の喪失を防ぐ防御として能動行動した。
接種が進む先進国でも相変わらず新規感染者、重篤者が止まらない。ウイルスも当たり前のように変貌して行く。増え、長生き過ぎる害虫の淘汰としか思えない。浮き彫りになったのは我が国の恐ろしい程の後退ぶりと腐敗、自己修正能力の無さ。知り得た所で文句ばかり言っている己の無力さ。
台風を待つゴミ溜めの気持ちかな。
本土は既に1週間経とうとしている。懐かしいのは太陽と 刺身。